The Imperial State Crown (大英帝国王冠)
この王冠は、戴冠式の最後に、また毎年の州議会の開会式で着用されます。多数の宝石、有名かつ実際の価値があり、きわめて貴重な見事な王冠です。
王冠の先端のマルタ十字に取り付けられたサファイアにはいわれがあります。エドワード懺悔王の遺体が、1163年にヘンリー2世によって、ウェストミンスター寺院に移され埋葬された時、彼の指にはめられていた指輪から取られたものだといわれています。
St.Edwards Crown (エドワード王の王冠)
エドワード王の王冠は、英国クラウン・ジュエルの一つです。新しい君主の戴冠だけに使用される公式の戴冠王冠です。
1661年にチャールズ2世王の戴冠のために作られました。11世紀にイギリスを統治した君主、エドワード証誓王の王冠から取った金を使用していることから、評判となっています。
中央のベルベットキャップにエゾイタチで模様をつけ、金属が純金で作られ、444個の宝石で飾られています。以前王冠は借り物も宝石で飾られていた為、後に宝石がすべて取り除かれ、フレームだけになりました。しかし、1911年宝石は永久に取り付けられました。
ビクトリア女王とエドワード7世は、王冠の重量が2.155kgあることから、戴冠に使用しないことにし、もっと重量の軽い大英帝国王冠を使用しました。
The Crown of Queen Mary of Modena Consort James II (メアリー王妃の王冠)
メアリー王妃(Mary of Modena)の王冠は、イギリスのジェームス2世王の配偶者王冠です。伝統的として、君主が結婚し戴冠するときに、君主の妻女王が戴冠します。
1685年に金細工職人Richard de Beauvoirによって作られ、借りた宝石で飾られました。38の非常に大きなダイヤモンド、523の大小のダイヤモンド、そして129の大粒の真珠が使われました。金製の飾り輪の両サイドの縁に真珠がセットされ、20個の大きなダイヤモンドで飾られています。上部の真珠の列の交差する部分の4つのクロスと4つのアイリスはすべてダイヤモンドで作られています。各アーチの真珠の列は両サイドをダイヤモンドで縁取られています。中央の球体には5つのダイヤモンどと3つの真珠で作られたクロスがあります。
王冠は最初の使用者の戴冠王冠だけではなく、その後の王妃の戴冠にも1831年まで使われました。また、メアリー2世とアン(メアリー王妃の愛娘)によって使用されました。
The Crown of Queen Elisabeth the Queen Mother (エリザベス女王[皇太后]の王冠)
エリザベス女王の王冠は、1937年のウェストミンスター寺院における戴冠式で、英国のジョージ6世の王妃エリザベス・バウエス・ライオンのために作られた、プラチナの王冠です。
王冠は、英国王室王冠を長年製造している、ロンドンのGarrards & Companyによって造られました。デザインは、メアリー女王の王冠(ジョージ5世の妻テックのメアリーの戴冠王冠)に一部似せました。メアリー女王の王冠にある8つの半アーチと、モデナのメアリーの王冠の10の半アーチの王冠と比べ、4つの半アーチから成りたっています。そしてその半アーチは、メアリー女王の王冠のように取り外し可能でした。その為、エリザベスが飾り輪として使用することも出来ました。
王冠は、たくさんの宝石で飾りつけされ、特にKoh-i-Noorダイヤモンドが、前の十字の中央に飾られています。また、1856年にオスマン帝国のサルタンによってビクトリア女王に与えられた17カラット(3.4g)のダイヤモンドも使われています。
エリザベス女王の夫の死の後に、彼女は完全な王冠をつけるのをやめたが、娘(エリザベス2世女王、1953年)の戴冠のときに、アーチの部分をはずし、飾り輪を身につけました。
アーチが付けられている完全な状態の王冠は、2002年エリザベス皇太后の葬儀の間、彼女の棺の上に置かれました。王冠は現在、ロンドン塔のJewel Houseに飾られています。
The Imperial Crown of India for Delhi Durbar (インド帝国王冠)
インド帝国王冠は、英国クラウン・ジュエルのひとつです。英国のジョージ5世が1911年インドの皇帝として、デリーの歓迎式典で着用するために作られました。新しく王冠を作らせた理由は、英国の法律により、英国から王冠の国外持ち出しが禁じられていたからです。
カンタベリーの大司教は、キリスト教徒の活動が、ヒンズー教徒の国で行われるのは、適切ではないと主張した為ジョージ王は、王冠を戴冠しませんでした。しかし、歓迎式典場に入場する時は王冠を着用していました。
カンタベリーの大司教は、キリスト教徒の活動が、ヒンズー教徒の国で行われるのは、適切ではないと主張した為ジョージ5世は、この王冠を戴冠しませんでした。しかし、歓迎式典場に入場する時は王冠を着用していました。
王冠の作製費用は6万ポンドかかり、エメラルド、ルビー、サファイヤそして6,100個のダイヤモンドが使われています。そして、重量が0.97kgsあった為、ジョージ王がDurbarより帰国後、頭が痛いと不平を言っていました。これ以降どの君主もこの王冠を着用していません。
現在、ロンドン塔のJewel Houseに展示されています。
The Crown Qeen Mary’s Coronation of 1911 (メアリー女王の王冠)
メアリー女王の王冠は、英国のジョージ5世の王妃メアリ-(Mary of Teck)の王冠です。王冠は、1911年のジョージとメアリーの戴冠のために作られました。
Garrard & Companyによって作られた王冠は、およそ2,200個のダイヤモンドが使われています。また、Kor-i-Noorダイヤモンドも使われています。しかし、1914年にすぺてのダイヤモンドは水晶に取り替えられました。取り替えられた石の多くが、ジョージ6世の妻エリザベス女王の王冠(1937年)に使用されました。
王冠の8つの半アーチの部分は、今までの戴冠王冠と異なって、取りはずすことができるように作られ、アーチの部分を飾り輪として着用することができます。
メアリー女王は、ジョージ6世の戴冠と彼女の孫娘(エリザベス2世)にかかわる国家式典で、飾り輪の状態で王冠を着用しました。
1953年3月24日のメアリー女王の死以来、王冠は未使用のまま保存されています。